ボトルネック以外の部分に対してチューニングを実施した場合の性能比較をご紹介します。
ボトルネック
WEBサーバのCPUがボトルネックとなっていました。実際のスループットと平均応答速度の推移は次の通りです。
※グラフの見方は、「限界スループットの確認方法」を参照ください
チューニング
WEBサーバは「t3.small」のスペックを利用していました。CPUがボトルネックなので、本来はt3.xlargeまで上げる必要がありますが、vCPU が同一でメモリが倍になっている「t3.medium」へスペックアップをしてみます。
表.t3シリーズ の抜粋
インスタンス | vCPU | メモリ | 備考 |
---|---|---|---|
t3.small | 2 | 2.0 | |
t3.medium | 2 | 4.0 | CPU変わらず |
t3.large | 2 | 8.0 | CPU変わらず |
t3.xlarge | 4 | 16.0 | CPUが2倍 |
性能比較
「t3.small」から「t3.medium」へスペックアップを行い性能比較を実施したところ、性能向上は確認できませんでした。
下のグラフはチューニング前後のスループットと平均応答速度を比較したものです。
まとめ
チューニングの失敗事例として、ボトルネック以外の部分をチューニングした事例を紹介しました。CPU使用率がボトルネックの時に、メモリ増強をしても性能向上の効果は期待できません。簡単な事例でしたが、やみくもにチューニングを行っても効果がないことが伝わったかと思います。
チューニングを行うときは、必ずボトルネックの特定をしてから実施するようにしましょう。